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第13話 ニーナの秘密!?の巻 その1

※壁紙色は雑誌連載時と同じ雰囲気にしてあります。

ニーナちゃんの
すごい秘密がわかっ
ちゃうぞ!

プリンプリン

ボンボンKC「ベムベムハンターこてんぐテン丸
1〜3巻発売中! そろえようね!

(コミックボンボン1983(昭和59)年2月15日発行 3月号掲載時の扉文句より)

◆ニーナちゃんとリリアンが親子だって!? どんな秘密があるのか‥‥。(柱コメント)

本編

リリアンの指からキラキラと光る金色の血液が流れ落ちる。
リリアン「そうよ この色はわたしの一族だけがもつ色なのよ」
ニーナ「‥‥‥‥」
リリアン「しかし わたしの一族で女はわたしだけ ほかはみんな男なのよ」
ニーナ「じゃあわたしの‥‥ママ」
リリアン「そうよ
 どうして こうなったのか わたしにもわからないけどね」

その頃テン丸はリリアン達のいる城の近くに辿り着いた。
テン丸「ついにかくれがをみつけたぞリリアンめ!
 あそこか」
大首と一緒に地上に降りた所、いきなり足下に矢が飛んで来て地面に刺さる。
テン丸「わっ」
鷹男「よくきたな」
岩の上から、背中に翼を持つ鷹の顔の妖怪がテン丸達に向かって矢を番えていた。
テン丸「おまえもリリアンの手下か」
鷹男「そうだ 白羽(しらは)の鷹男(たかおとこ)さまだ!」
次々と放たれる矢を杖で打ち落とすテン丸。
テン丸「ヘタクソめ そんなもんでやられっか!」
鷹男「いったな〜っ」
転がりながら矢を避けるテン丸。
テン丸「ほれっ
 どこへうってんだよバ〜〜カ」
しかし、矢がテン丸の影に刺さると足に激しい痛みが走った。
テン丸ぎゃっ
 いてて‥ ? な なんだ‥‥」
鷹男「へへへへ」
影めがけて次々と矢が放たれ、痛みに苦しむテン丸。
テン丸「ぎゃっ」
クロ「親分 矢はあたってないんでガスよ!」
鷹男「おれさまの矢は体にあてなくても影をねらうだけで十分なのよ ほれ」
テン丸「ぐあっ」
鷹男「くるしんで のたうちまわって死ね」
大首「おのれ!」
大首が石を投げ、鷹男の頭に当てたものの、すぐに影を撃ち抜かれる。
大首「わっ」
鷹男「フン じゃま者はひっこんでな」
倒れたテン丸の前に降りる鷹男。
「へへへへ 念仏でもとなえな」
キリキリと弦が引かれ、とどめの一矢がテン丸に据えられる。
その弦を、クロが鋏でちょん切った。
鷹男「ああ
 このやろ〜 よくも人の弓を」
クロ「いまでガス親分」
テン丸「こなくそ!妖怪め!」
鷹男「ぎゃっ」
サーベルで真横に一閃。そのすぐ側で虎のような姿の妖怪が様子を見ていた。
虎男「ヒヒヒヒ なかなかやるねえ」
テン丸「! おまえもか!」
虎男「バ〜〜カ あわてんなよ
 おめえら あのチビッ子つれもどしにきたんだろ〜
 ならちょっときなよ リリアンさまのほうでも話があるそうだから」
テン丸「話?」
クロ「ワナでガスよ」
大首「しかし ばれてるんなら こっそりしのびこんでも おなじじゃぞ」

そしてリリアンの待つ城へ。
リリアンの側に槍を構えたケンタウロスが控えている。
テン丸「ニーナちゃんはどこだ!どこにいる」
質問に答えず、テン丸の足元にボムを撃つリリアン。
リリアン「うるさい!話があるのはうしろのじいさんだよ!」
クロ「?」
テン丸「大首に」
リリアン「じいさん あんたその角があるところをみると 竜神族だね」
大首「それがどうした」
リリアン「あの子が竜神族ということになってるけど あんたあの子の正体しってるね」
テンクロ「? ?」
大首「なんのことかな
 わしは天狗大王さまにたのまれて 姫のおもりについてきただけじゃが」
リリアン「おもり
 ホホホホホ
 とぼけるんじゃないよ
 あの子は死んだはずのわたしの子だよ!
テン丸「なに」
テンクロ「‥‥‥‥」
テン丸「ニ ニーナちゃんが‥」
リリアン「ほんとうさ」
テン丸「ほんとか大首」
大首「しらん」
テン丸「それみろ」
クロ「ニーナちゃんのおかあさんは もう国にいるんでガスよ」
竜神のお母さんの顔を思い浮かべるクロ。
リリアン「わたしがいってるのは 実の親のことだよ
 おなじ血の色 おなじ念爆能力!すがたかっこう どれをみても一目瞭然だよ
 ただ わたしにもわからないのは
 割ったはずのタマゴの中の子が生きてたことよ」
大首「しらん わしはなにもしらん!」
どう見ても何かを隠している大首の焦りの態度。
大首「姫は竜神族だ‥」
そこにニーナ姫が姿を現す。
テン丸「ニーナちゃん」
大首「ひ 姫 ごぶじでしたか」
ニーナ「大首‥
 ほんとのことおしえて ニーナもうおどろかないプリン」
ニーナ姫の覚悟の言葉に、大首はとうとう出生の秘密を語り出す。

三千年前
天狗大王さまが国をあらす 凶悪犯をおそれ山にとじこめるとき
その中の一人の女が五つのタマゴを産んでているのをみつけられたのじゃ
女は どうせあたためるものがいなくて かえれない死にタマゴになるのなら
このままくさらせるより自分の手でと思ったのか 全部投げ割ってしまったのじゃ
だが幸運にもヒビがすこしはいっただけで割れなかったタマゴが一個のこった
それをみつけた天狗大王はタマゴのヒビをていねいになおして
当時 子どものいなかった竜神の家にあずけられたのじゃ
竜神の家では二千五百年もの長い間 苦労してあたためて
やっとかわいい玉のような女の子をかえしたのじゃ
生まれてくる子には なんの罪もない ぜったい親のことは言ってはならんぞ

大首「心やさしい子に育てるのじゃぞ そう約束して育ててきたんじゃ
 それが姫なのです‥‥」
ニーナ「大首」
大首「ゆるしてくだされ このことは死んでもいってはならぬ秘密だったのに‥‥」
ニーナ「いいのよプリン」
涙ながらに平伏す大首を優しい笑顔で見つめるニーナ姫。
リリアン「ホホホホ あの天狗大王がね
 フン あいつらがわたしらを つかまえにこなきゃ こんなことに
 ならなかったんだよ!
 さあニーナおいで おまえはこっちの仲間だよ」
リリアンに引っ張られた腕を振り払うニーナ姫。
ニーナ「わたしのパパとママは ほこり高い竜神だ!
 おまえみたいな わるいやつじゃないプリン」
実の娘に拒絶された事がショックなのか、顔が青ざめるリリアン。
ニーナ「テン丸」
リリアン「ものども テン丸をかたづけておしまい!」
手下達「オス!」
テン丸「大首!ニーナちゃんをたのむ!」
手下の虎男、ケンタウロス、ヤギ男、骨八が一斉に襲いかかる。
テン丸「いなずま連続斬りー!」
あっと言う間に4人を片付ける。
大首はリリアンの鞭を刀で応戦しながら、体を張ってニーナ姫を守っている。
リリアン「どけ!頭でっかち」
大首「どくか たとえ実の母親だろうと きさまみたいな悪党に姫をわたせるか!」
リリアン「ぬかしやがったな〜〜っ そのでか頭 はれつさせてやる」
大首「うっ」
リリアン「死ね死ね 死ね〜〜」
大首「いたたた」
念爆で大首の頭を大爆発!!柱は折れ城が崩れ始める。大首は瓦礫の下敷きに。
ニーナ「じいや じいや じいや」
テン丸「大首」
リリアン「ホホホホホ じじいなら わたしがバラバラにしてやったよ」
テン丸「なに!」
リリアン「つぎはおまえの番だ 死ね!
テン丸「ぐあっ」
リリアン「ホホホホホ つぎはとどめよ」
ニーナ姫が念爆を使い、リリアンの冠を吹き飛ばす。
ニーナ「やめて〜〜っ」
リリアン「!」
ニーナ「おねがいやめて!
 わたしのほんとうのママなら‥やさしいママになって」
リリアン「‥‥‥‥」
ニーナの必死の懇願にリリアンの動きが一瞬止まる。
テン丸「リリアンかくご〜〜」
リリアン「!」
念爆から解かれたたテン丸がリリアンにサーベルを振り下ろす瞬間、ニーナ姫が目の前に飛び出した…!
テン丸 「あ」

バシュッ

リリアン「ニーナ!」


たいへんだ! テン丸が、ニーナちゃんを切ってしまったぞ! 4月号につづく

第13話 ニーナの秘密!?の巻 その1/完

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